『エレうた!』ワークショップ観覧記


4日に開催された、NHK-R1『エレうた!』の公開収録にお邪魔してきました。


ワークショップは昨年に引き続き、今年も『NHK文化祭』の催しのひとつとして行われるもので、
今回はボカロ曲の『調教』について、より人間の歌声、自然な歌声に近づけられるような『調教』のコツを教えてくれるとのこと。
(ちなみにボカロ界隈では、ただでさえ天使のミクさんに対して『調教』という言葉を使うとは何事だ、という反発から、『調声』という言葉に置き換えようという動きもある)


当日は早朝の高崎線に乗って上京。
観覧整理券の配布時間は11時半なので、これでも余裕だと思って。
始発組の現地報告でそれほど争奪戦が厳しくないと踏んでいたのですが、
某赤帽氏が「10時半ごろには無くなるかも?」とつぶやいてたのを知り、慌てて新幹線に乗り換え(;・∀・)
なんだかんだで現地に到着したのが10時15分過ぎ。

待機列は20人前後くらいだったかな?まだまだ余裕だった模様。
もっとも、配布が始まってみれば整理券はすぐに終了してしまったし、
難民の方も少なからず出たみたいなので、これは早く到着して正解だったというべきなのでしょう。

ご覧の通り、配布開始30分後には完売。


その後、収録までの間は、文化祭広場のベンチで暇つぶし。
あちこちに屋台が出ていて食料にはまったく困らない。
普通のお祭りと違って採算度外視なのか、黒毛和牛の串ステーキが300円とか驚愕のプライス。
しかもめちゃくちゃ美味い!調子に乗って何本も食べた上に、ビールも美味しく頂いていたら、
昼間の太陽に灼かれて家元さん、体調を壊してしまいました(;^ω^)

宴の輪から外れて、日陰でひたすら休んでいるとどうにか体調も元通りに。
しかし恐ろしく眠い状態のまま、収録に突入。

スタジオはちょっと狭めで、椅子は60脚前後といった感じ。
前説のあとに司会の高橋さとみアナ、モモーイ、ゲストのボカロP・Mitchie Mさん、ボカロの父と呼ばれるYAMAHAの剣持さん、そしてシンガーとして黒崎真音さんが登場。

観客の厄介系がさっそく語尾上げ(はるこぉ〜↑など)を連発していることに対して、
モモーイが「収録終了まで語尾上げ禁止」を通達(笑)

実際の収録内容は、本放送を聴いてもらうまでのお楽しみにしておきますが、
ちょっとだけ、番組内で紹介された「エレうた楽曲」についてご紹介。
『神調教』を駆使するPとして著名な、Mitche Mさんの楽曲から。

なんといっても超有名なこの曲。一聴してとてもボカロの声とは思えず戦慄した記憶が新しい。
ボカロボイスを人間の声に近づける技術はこれ以前からあって(「ぼかりす」「ぼかんないです><」など)、
取り立てて珍しいわけではなかったのですが、この曲はキャッチーなメロディと、徹底的な造り込みから、
絶大な反響を巻き起こしました。

PV含めて、素人が太刀打ちできるレベルじゃない(;^ω^)
ネ申調教×5人分ですよ。気の遠くなる労力が必要なんだろうな・・・。

歌わせるのはともかく、ラップや会話など平坦なボイスは、ボカロが特に苦手とする(もともと、そういう風に作られていない)ポイントで、それをここまで流暢な発音に仕上げてくるとは圧巻の一言。家元が以前好きだったHeartsdalesというユニットの曲に似ていて、個人的にも好み。

番組で紹介されたのは猫村いろはVer.でしたが、個人的にはこのミクVer.もオススメ。
サビへ駆け上がるパートは鳥肌率100%。
民族音楽的な曲調が、ボカロ的流行とはかけ離れていたので、長らく日の目を見なかったものの、
今年に入ってMMD杯の動画BGMに採用されたのをきっかけに再評価&人気爆発。
ボーカル調教のすごさに耳を惹かれますが、バイオリンが生演奏ではなく打ち込みサウンド(!)というのも恐るべき点。

これを紹介したのは何でだっけ?これはネ申調教というよりは、「ボカロをボカロのまま、上手に歌わせている」という印象。まあ有名曲だからとりあえず紹介しておこう、的な感じなのかしら。


今回の収録は「調教」がテーマということで、ゲストにMitchie Mさんという調教のスペシャリストが登場した訳ですが、
確かに彼が操る技術はすばらしくて「ボカロでここまで出来る」というものを見せてくれていますが、
それは「だれでもここまで出来る」というものでは無いし、もっと言えば、
みんながそれを目指す必要も無いのかな、とも思います。

ボカロはまだ黎明期の技術であり、開発のベクトルとして「人間と同じように歌わせる」という目標に向かっていくのは正常な進化だとは思いますが、
一方で「キャラクターボイス」として愛されている現在のボカロ人気は、「人工音声らしさを残しているからこそ」のもの、という側面もあるわけで。
きわめて個人的な意見としては、「どっちのベクトルも楽しみたい」が本音かな。

ちなみに、番組内の講義は、ボカロにまったく触れたことの無いような人でも、今すぐ実践でき、
すぐに効果が出そう(表情のある歌声がつくれそう)な、充実した内容でした。
たとえば、素人の僕でもその気になっちゃうような。


ということで、さっそく家に帰って調教に取り組んでみました。