何が言いたいのかというと、昨日UOが少なかったのは、アニサマはガラパゴス的にUO依存してきたが、昨日の新規ファンと公式に9色ペンライトを売ってしまったことでパンドラの箱を開けてしまった可能性が高いということ。そして、それによりルミカライト業界最後の砦が無くなったかもしれない。。
— 太田豊紀@アニサマEP他いろいろ (@toshoboy3) 2013, 8月 24
上記はアニサマのエグゼクティブプロデューサー・太田豊紀氏のつぶやき。
家元は今年のアニサマに3日とも参加してきましたが、各日のライブの印象は別にして、会場のペンライトの様変わりぶりには驚かされました。
何をおいても「キングブレード(キンブレ)」と呼ばれる多色切替型ペンライトの使用率が高い。
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このキンブレってやつは、簡単なボタン操作で思い通りの色に光らせることが出来る。だから、特定のテーマカラーがある曲、アーティストなどに合わせて、いわゆる「一斉同色点灯」が、いとも簡単に演出できる。
昨年までだったら、事前にアーティストなりファンなりが、「この曲は◯色がテーマなので、◯色のペンライトを振ってくれたら嬉しいです」などと周到に準備しなければ出来なかったようなことが、今年はステージ上のアーティストが一言「◯色のライトありがとう」と言っただけで、次の瞬間にはもうその色のペンライトで会場が埋め尽くされてしまう。実にあっさりと。
で、この新型アイテムの威力の前に、これまでアニサマで威力を発揮し続けてきた「ウルトラオレンジ」は、確かに脇に追いやられてしまった感はありました。
例年であればものすごい光量のUOの輝きで圧倒されるような曲でも、今年はあまりUOが炊かれなかったり。
さすがに3日間の大トリ、水樹奈々の「Synchrogazer」では、会場をUOの輝きが埋め尽くしたものの、よくよく会場を見渡すと「オレンジ色のキンブレ」を振っている観客も結構な数が存在したのも事実。
嗚呼、悲しきかなUO。かつてアニサマで栄華を誇ったオレンジ帝国は、多色連合の前にその輝きを失ってしまったのでしょうか?
キンブレの普及は、UOの衰退に繋がってしまうのでしょうか?
僕の考えはちょっと違います。
【そもそも高まる曲が少なかったんじゃないの?】
今年のアニサマはセットリストが随分と保守的だった気がします。
過去に盛り上がった鉄板曲、定番曲をセレクトする出演者が多かった印象。
そうなると、かつて聞き覚えのある曲だからといって、無条件でUOを折る、という行動に結びつかなかった可能性があります。
「確かに聴きたかった曲だけど、UOを折るほどでは・・・」という風に、心がブレーキをかけてしまったのでは?
実際、僕の周囲では、持参したUOを全弾使い切れず、不発弾を持って帰った方が続出しました。折る気満々で持参したものを結果的に折れなかったのと、初めから折る気が無くて持って行かなかったのとは違いますよね。
【一過性の、目新しい物に飛びついただけでは?】
新しいライブアイテムは、とにかく一度は使ってみたいもの。
増して今回は公式物販でキンブレと同等の商品を販売していましたよね。そしてそのアイテムが今までのものより画期的に便利なものだとしたら…。
そうした観客が多数を占めれば、「今までのUOも良いけど、キンブレを使ってみようかな?」という考えになる人も多かった筈。
【今までのUO消費スタイルがバブル過ぎた?】
本来、救難信号用の非常時アイテムであり、一本300円以上もしたウルトラオレンジ。2003年頃にライブシーンで使用されるようになってから、約10年。以来ライブアイテムとしての需要は上昇し続け、量産効果や開発競争もあって劇的に価格も下がりました。
最初の頃は「大事な弾はここぞという時に使う」という「とっておき」アイテムだったものが、価格の下落とともに複数本を持参するようになり、果てはタッパーに大量に詰めて参戦する人や、ボストンバッグでUOを数百本持ち込み、1曲10本以上のペースで折りまくるようなスタイルまで現われました。消費の仕方は人それぞれですが、普通の観客でも一回のライブにUOを10本程度持ち込むのは当たり前の光景、というのは、異常とは言わないまでも、ちょっとエスカレートしすぎだったのでは?という気もします。
おそらく、「UOも持って行くけど、キンブレの使い勝手も試したい」という人が多数参戦した結果、UO一斉点灯より同色点灯の目新しさに惹かれてしまい、「周りがUO折ってるから自分も折る」的な同調が起きなかったことが、今回の「UO発動減少」に繋がったのではないでしょうか。
であるならば、今回こそUOの発動は控えめでしたが、今後は揺り戻しが起きそうな気がします。Twitterをキンブレで検索してみると「同色点灯は手軽で綺麗だったけど、UOが無かったのは寂しい」という意見を結構な数、見ることが出来ます。まだまだ瞬間的な発光の明るさではアドバンテージがあるし、高まる→折る→光る、という人間の本能に忠実な発光プロセス(笑)は、スイッチをカチカチする味気なさに比べれば遥かに官能的。
大勢の人がUOの魅力を再確認したとすれば、今後の大規模フェスではこれまで通りのUO全開が見られる可能性も高そうです。
それに、仮にUOの消費量が減ったままだとしても、それは大元の使い方に立ち返っただけ、とも言えます。
各人が、本当に高まったとき、ここぞというときに折る。
それが本来のUOのあるべき姿なのでは?
「何でもかんでもUO」というのではなく、基本のキンブレ装備と合わせて、「とっておきの数本のUOをポケットに忍ばせる」というのが、大勢の観客のスタンダード・スタイルになっていくのだとしたら、僕はそれが悪いことだとは思いません。
沢山折りたい奴は、これまで通りやっていくだろうし。
まあ、今は過渡期なんでしょう。
カメラ業界でいうところの、「写ルンですバブル→デジカメ移行」と同じような構図に見ることも出来ますしね。
ただ僕は、キンブレ系がどんなに技術革新を重ねても、ウルトラオレンジの持つあの「官能性」を再現できない限り、キンブレがUOを駆逐することは無いと思います。
僕も折り続けることでしょう。
キンブレも使いますけどね(;^ω^)