新年あけましておめでとうございます。
本年も家元ブログを宜しくお願い申し上げます。
年明け最初の記事は『2016 めろん(家元)ライブ賞』について。
↑の動画内でも熱く語らせていただいてますが、持ち時間中ずっと、くるくる氏から「めんどくさい」「早く終われよ」的なプレッシャーを感じていたため、思っていたことの半分も語ることができませんでした。なので、今回この場を借りて補足解説をしたいと思います。
本記事は一部、動画のネタバレになりますが、くるくる氏の賞はナイショにしますので勘弁。
【2016ベストライブ賞】
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受賞の最大の理由は「2.5次元の到達点」を体感できたこと。
すなわち、演者とそのキャラクターが融合して、あたかもステージ上に完全にキャラクターが存在している様に見える瞬間が、公演中に何度もあったこと。それが特定の演者だけでなく、すべての演者で同じように感じられたこと。
あのときステージに居たのは演者9人だけではなかった。穂乃果たちアニメ内のキャラクターたち9人もまた、ステージ上に確かに召喚されていたのだ。
僕にはそう思えたし、検索してみると、どうやらそう感じた人は大勢居たようだ。
これまで数多くのライブに参加してきたが、こうした感覚 ー演者とキャラがステージ上で重なって思えるー に陥ったことは殆ど無かったように思う。
ちょっと過去を振り返ってみる。
2.5次元という言葉は最近になって使われるようになった言葉であるが、「ゲームやアニメからキャラクターを具現化しよう」とする試み自体は、かなり前から模索されていた。ちょっと例を挙げても、セーラームーンの舞台やSMAPの聖闘士星矢など、黎明期のチャレンジはいくつもある。
成功例の一つが「サクラ大戦」だろう。キャラクターのCVを担当する声優が、そのまま舞台上でもキャラクターを演じるというフォーマットで好評を博した。初演の1997年以降、公演は近年に至るまで連綿と続けられている。
モモイスト的には、モモーイについても触れておかねばなるまい。2002年に『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』がオンエアされた際には、小麦ちゃんに扮してメディアに露出するモモーイの姿を見ることが出来た。
そもそも小麦ちゃんのキャラクター自体が桃井はるこをモチーフにデザインされたものだ、という特異な成り立ちを持つだけに、彼女自身もライブやインストアイベントなどでは積極的に小麦ちゃんのコスプレで出演している。これも今の分類なら「2.5次元」と言われて何ら不思議ではない。
しかし幾ら「舞台にいるのは桃井じゃなくて小麦ちゃんなので、その体で見てください」と言われても、こちらがそれに乗れるかどうかは別の話。
2.5次元に理解のなかった僕はこの頃、モモーイの小麦コスを見ても「桃井さんコスプレお疲れ様です、声優さんって大変ですね」としか思うことが出来なかった。
同じ頃にはミュージカル・テニスの王子様の公演が始まっている。
しかし僕はこれについても、ニコニコ動画に上がっていた空耳動画を眺めてニヤニヤしながら「役者さんも大変だよね」と冷淡に呟やくに留まった。
僕の心のなかで、はっきり潮目が変わったのは、あの「2.5次元ミュージカル」を鑑賞してから。
舞台 『弱虫ペダル』 インターハイ篇 The Second Order
モモーイが劇中歌を歌っているから、という理由だけで何となく観に行った舞台だったが、観劇後には「2.5次元」に対する認識が根底から覆された。役者のコスプレ衣装とかは全く気にならない。舞台上で総北・箱学のメンバーががむしゃらに競技に取り組む姿を目の当たりにし、揶揄したり小馬鹿にするような思いは吹き飛んできた。
LIVING ADV 「Steins;Gate」 舞台版 OP
キャスト発表時、ネット上に「コスプレ感」対する嘲笑が溢れた舞台版『シュタインズ・ゲート』。僕は弱虫ペダルを観た経験を踏まえ「始まれば評価は絶対覆る」と確信して観に行った。結果、舞台上に再現されたラボと「人工衛星」、そこで繰り広げられるラボメンの物語は、まさにシュタインズ・ゲートそのもの。岡部が、牧瀬が、ラボメンの皆が、確かに舞台上に存在したように感じられた。
一方、僕が舞台ではなく、ライブで「2.5次元」を感じたのは、ラブライブが最初ではない。いつのライブかは記憶が朧げだが、アイドルマスターのライブでミンゴスこと今井麻美がソロ曲を「絶唱」したとき、何となく「千早だ」と感じたことを覚えている。
アイドルマスター、特に本体ALL STARS組については、少なくとも最近まで、キャラクターとの同一性については、コンテンツサイドもそれほど拘りが無かったのではないかと思っている。各々の演者が、ステージ上でキャラを演じよう、という積極性はあまり感じられなかった。
ただし個人的にミンゴスだけは別。彼女は千早そのものだと思う。ステージに居るときのミンゴスは千早が憑依しているのでないだろうか。
TVアニメ版アイドルマスターの名シーンを再現したかのような「約束」。僕はこの現場には居なかったが、動画からでもこのシーンには「降りてきている」のが伝わる。
西武プリンスドームで行われた10th Aniv.ライブ。極めて歌唱難易度の高い楽曲に真正面からたたかいを挑み絶唱するミンゴス。その姿に圧倒されたプロデューサーたちは、楽曲の終盤、立ち込めるスモークの中に、如月千早の影を見た。
「千早降臨」と今でも語り草の、10th屈指の名シーン。
というような紆余曲折を経て、2.5次元コンテンツに慣れ親しんだ上で僕が臨んだμ’sのファイナルライブ。果たしてライブの終盤には前述の通り「演者とキャラが同じステージに居るように」錯覚を覚えてしまった。
ライブの感想は主観だから「そんなふうには見えなかった」という人が居ても全然おかしくない。昔の僕がそうだったし、そもそも僕だってそう見てやろうと思って意気込んでいたわけではない。「図らずも、思いがけず」そう見えたという感じだ。
だからこれは、僕にとっては望外の「ご褒美」だ。普通にライブを見るだけでも十分楽しいのに、加えてキャラクターの存在までを感じることが出来たのだから。
さらに言えば、僕が今後2.5次元コンテンツを楽しむ上で、新たな基準、ものさしとなるライブだったようにも思う。僕はこの日、2.5次元コンテンツの一つの理想形、完成形を見た。ゆえに今後同種のコンテンツを楽しむにあたっては、意識的にせよ無意識的にせよ、どうしてもあの体験と比較してしまうことは避けられない気がする。
そういう意味でも、色々と衝撃的でエポックなライブだった。
ま、長々と小難しく書いてきたことを要約すれば、単に、
「キャラクターが幻視できちゃうぐらいハマって楽しんだライブでした」
というだけのことだけれど(苦笑)
というように紆余曲折を経て、すっかり2.5次元への抵抗感を無くした家元さん。
ところで今、仮にモモーイが小麦ちゃんコスでステージに登場したとして、僕は彼女を小麦として見れるだろうか・・・。
うーん、、、
アニスとかフェイリスのコスを見ると、ワンチャン行けるんじゃないかな?
【今後の2.5次元ライブ展望】
先輩が偉大すぎて苦労気味の?Aqoursもついにファーストライブが迫ってきました。
【PV】TVアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」Blu-ray PV(Aqours 1st LIVEに行こう!編)
ステージング自体はもう本家顔負け、懸念は経験値だけという状態です。2.5次元的展開に必須な、物語の積み重ねが決定的に不足していて、声優陣の人気と楽曲の魅力でどこまで補えるか。とにもかくにもファーストライブ次第。
『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 3rdLIVE シンデレラの舞踏会 -』PV Part1
アイマス本体と異なり、ライブ演出の方向性を明らかに2.5次元に振っているデレマス。4thでは徹底されたアニメ準拠の舞台演出に、感涙するプロデューサーが続出した模様。
5thツアーでもその路線は踏襲されることでしょう。まだまだCVの決まっていない(声のない)アイドルもたくさん居ますし、プロデューサーにとっては忙しい日々が続きそう。
・WUGちゃん
驚きの新体制でフェーズ2に移行。キャラデザ変更や新キャラオーディションなど色々騒がれていますが、オリジナルメンバーは新章も継続とのことなので一安心。モモーイも曲提供で一枚噛むみたいなので、注目していきましょう。
・秋元康のアレ
AKB0048で懲りてなかった秋元康が2.5次元に再参入。プレスリリースを何回読んでも「どこか勘違いしているのでは?」との印象が拭えない。正直このキービジュアルだけでは何とも・・・。お手並み拝見ですかねぇ。
個人的に他に注目しているのは、アイドル事変ですが、、、スマホゲーがアレな出来なこともあり雲行きがアヤシイ現状。
あとポッピンQが続編つくる気満々なのに興行成績が散々で、これどうすんのよ(汗)
という感じで百花繚乱、群雄割拠な2.5次元コンテンツ。今年もがっつり楽しませて貰おうと思います。はたして、μ’s並に楽しませてくれるコンテンツは出てくるかな?