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コミックス版Steins;Gate『哀心迷図のバベル』

『哀心迷図のバベル』はドラマCDとしてリリースされた同名タイトルのコミカライズ版。
シュタゲ関係のドラマCDとしては最初期(アニメ化前)にリリースされたもので、「世界線」というシステムのもとで「あったかも知れない別の世界線の物語」を量産しているシュタゲのドラマCDのなかでは少数派ともいえる「正史」としてのストーリーだ。

本作品はゲーム版シュタゲのストーリー補完を目的としており、原作ゲームが終始、鳳凰院凶真こと岡部倫太郎の一人称視点で展開されているため描かれなかった、「別の登場人物視点での物語」、つまり牧瀬紅莉栖の視点で物語が動いてゆく。

その内容は、シュタゲ本編の未体験者には激しくネタバレになってしまうので、最小限のワードで説明するとすれば下記の通り。

「オペレーション・ベルダンディを完遂すべく、キーボードのEnterスイッチへと振り下ろした岡部の手と、ほぼ同時にラボへ飛び込んできた紅莉栖。・・・・彼女はどうして、何を思ってラボへ戻ってきたのか?」

単純に紅莉栖のモノローグという訳ではなく、本編ではほとんど絡むことのなかった、フェイリス・ニャンニャンと紅莉栖の交流がストーリーの主軸。
紅莉栖と父親の愛憎・確執、バイプレイヤーたちの意外な接点が、次々と顕になってゆく。
自分を待ち受ける運命の前で揺れ動く紅莉栖の想いは・・・。

本編では終盤あまり活躍する機会のなかったフェイリスが、重要な役どころとして活躍するストーリー展開は、モモイスト的にもかなり推せる内容。
続いてリリースされた『無限遠点のアークライト』と併せて、ファンなら聴いておいて損はないだろう。
より濃密に語られる、ヒロインたちの「想い」に胸を熱くすることが出来る。

STEINS;GATE 哀心迷図のバベル 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

STEINS;GATE 哀心迷図のバベル 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

さてコミカライズ版だが、ドラマCDが基本的に「本編クリア済の上級者向け」だったのに対し、こちらは基本軸こそドラマCDの展開に準拠するものの、本編のストーリーダイジェスト的なものも織り交ぜており、シュタゲ世界自体に初めて触れるような人でも、すんなり理解できると思われる。
むしろこのコミカライズ版の方が、より紅莉栖の心情の移り変わりが丁寧に描かれている印象で、まずはドラマCDよりもこちらを読むことがオススメかもしれない。
コミックスは現在1巻が発売中。春には2巻(完結)の刊行が予定されている。
なお、現在ウルトラジャンプ誌に於いて連載中だ。

春にはシュタゲの映画上映も迫っている。この『哀心迷図のバベル』に限らず、上映までの間に、復習の意味も込めて、シュタゲの本編などにもう一度触れてみては如何だろうか。


↑MADとして秀逸だが、ストーリーダイジェストとしても秀逸。濃密な20分。